日本経済新聞の「働く女性2000人意識調査」(日経電子版2018年1月23日)によると、管理職になりたいと「思う」が19.6%、「思わない」が59.8%と、女性の間に大きな意識の差があることが分かります。「思わない」の理由(複数回答)として挙げられているのは、「責任が重くなる」59.9%、「精神的な負担が大きい」56.5%、「自分には向かない」48.5%などです。せっかく管理職に昇進する機会を与えられたとしても、このような理由から辞退してしまう女性がいるということです。なぜ管理職になることに対して消極的な女性が多いのでしょうか。
<管理職になるのは長時間労働が前提>
もちろん今までも管理職になる女性は、数は少ないながらもいました。でも、そのような女性達には、男性と伍して夜遅くまで私生活を犠牲にして働いているような人が多かったように思います。そんな女性管理職を見て、「あんな働き方、私にはできない」としり込みして、「キャリアアップよりワークライフバランスを重視したい」と考えてしまうのも無理ありません。夜遅くまで働くことが会社に対する貢献とみなされるような組織風土では、女性管理職の輩出は難しいと言わざるを得ません。
<配偶者が子育てや家事に協力してくれない>
最近では、働き方改革が進み、会社全体で残業を減らす取り組みが行われています。長時間労働が大変なのは男性も同じですから、女性に限らず、このような動きは歓迎すべきことです。
それでは、働き方改革によって、男性の協力度は上がっているのでしょうか。6歳未満の子供を持つ夫の1日あたり家事・育児関連時間は2016年調査で1.23時間(83分)でした。2011年調査より16分増えていますが、大きな変化とは言えません。また、国際的にみると、アメリカの3.10時間、フランスの2.30時間と比べて家事・育児関連時間は半分程度かそれ未満であり、大きな差があることがわかります(出所:内閣府資料)。
それでも最近は、家事・育児に協力的なイクメンが増えてきた印象があります。しかし、「育休をとる男性は仕事ができない」と見られる傾向があり、育休をとりたくても将来のことを考えると取得できないといったケースもあるようです。男性の家事・育児への協力が進まない背景には、配偶者だけでなく、配偶者が働く会社側の問題もあるようです。