本書で取り上げられているケースと対応事例が秀逸で、同じような場面に遭遇した際に、とても参考になり、判断のスピードアップにつながります。また、管理する人により、バラバラになりがちなマネジメント方法も、本書で整理できますので、ぜひお薦めしたい本です。

初級管理職の登竜門として読んでいただきたいのは勿論、係員が上長の仕事への考え方を学ぶことにも活用できる良書です。インバスケットレッスンを通して自分の特性を知ることも有用で、解説を通して気づかされる点も多かったです。

２人の女性社員がマネジメント研修を受け、その中でインバスケット演習に取り組むという設定になっている。案件数は10とやや少なめだが、全ての案件について、その2人の女性社員の回答（具体的なメールやメモ）が書かれている。また、ぞれぞれの回答・処理に対する具体的な解説や評価が丁寧に書かれていて大変参考になった。

レッスン内容が、どこの企業、事業所でも日常的に起こっているだろう事象について簡潔に解決のヒントを示していて分かりやすい。今日から実践してみようと前向きになれる。

二人の解答例があり、自分ならこっちだなという場合、どのように判断されるのかが具体的に記載されているので「なるほど」と思いました。二人の解答者は、課題達成志向と人間関係重視型の異なるリーダーシップを発揮しており、現在の自分のスタイルを自覚するのに役立ちました。解答全体を通してフィードバック例も自分へのアドバイスのようで参考になりました。

これまで、このような実践に基づいた演習によるリーダー育成の本はありませんでした。私が以前中間管理職の研修を受けた時、民間講師の講義と演習が新鮮だったことを思い出しました。学者の書いた参考書は読んでいますが、やはり実務を裏づける理論が一番現場では欲しいものです。具体的で事例に基づき納得できます。