管理職の仕事を疑似体験する

管理職の仕事に対して具体的なイメージがないことも、女性が管理職になりたくないと思う理由のひとつです。分からないこと、不明確な状況を回避して、安心・安全な既知の範囲にとどまりたいという心理です。このような不安を和らげるための方法として、管理職の仕事を疑似体験する機会をつくることが有効です。

 

疑似体験の方法には、まず、前回紹介した自己効力感を高める4つの要素のひとつである「代理経験」があります。いわゆるロールモデルのことで、好業績をあげている人の行動を観察することによって得られる効果です。例えば、身近に女性管理職がいれば、その人を真似て同じように行動すれば自分も大丈夫だろうと安心感を持つことが出来ます。ダイバーシティ研修の一環として、先輩女性社員の話を聴く時間を設けることがよくありますが、これは、そのような効果をねらったものです。話をしてもらうのは、飛びぬけて仕事の出来るスーパーウーマンよりも、話を聴く女性社員の置かれた環境に近い人の方が親近感をもってもらえるのでお勧めです。

 

他の疑似体験の方法として、人材アセスメント研修があります。インバスケット演習、グループ討議演習、面談演習等を通じて管理職の仕事を体験学習することができます。インバスケット演習は、ある架空の企業の管理職になったつもりで、一定時間内に未決箱の中にある10~20件程度の案件を処理していくもので、マネジメント・サイクル(PDCA)の疑似体験が出来ます。グループ討議演習は会議の場面、面談演習は部下育成の場面を想定したもので、これらの演習を通じて、管理職に求められる能力を自己診断することが出来ます。管理職・リーダー職を目指す女性は、人材アセスメント研修やインバスケット演習を体験してみることで得られるものが多いでしょう。

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